ゆきみどりのあしあと

「いつだったかわすれたけどあれたのしかったね」荒井良二

INC Feb 2020 使用構築 朧村正弱保キッス (最終1837,1820)

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メイン:26-3 1837 23位
サブ:33-9 1820 49位

 

 

  • はじめに

初めまして、ゆきみどりと申します。自作の構築でINC Febを予選抜けできたため、記事を上げることにしました。私用で2月中旬まで時間を取れませんでしたが、INC開始時点で公開されていたブログや記事を読み、メジャーな構築・初手選出に対応できるよう、要素を詰め込みました。なんとか間に合いました。本稿は初めての構築記事であり、なるべくわかりやすくを目指して書いたため、冗長に感じる表現もあると思いますが、ご了承願います。

 

  • 構築概要

まず、相手の見えないインターネット大会ではなるべく読みを排したい(今回は特に「サイドチェンジ」じゃんけんに負けたくない)ので、全体技を基調にダメージレースを有利に進め、先制技で締める構築を目指しました。ランクバトルでレンタルパーティを試すなどして、トゲキッスミロカロスニンフィアローブシンをアタッカーとして使うことにしました。バイバニラも魅力的でしたが、攻撃技が「ふぶき」一択であり、天候依存で安定性に欠ける、相手のトゲキッスやドラパルトの『じゃくてんほけん』を踏んでしまう、耐久を信用できる型を思いつかなかった、などから今回は採用を見送りました。

アタッカーを動かす回数を稼ぐため、サポーターとして【ひらいしん】「ねこだまし」「ほっぺすりすり」「あまえる」「かいでんぱ」ライチュウ、スイッチ「トリックルームミミッキュが入りました。当初はミロカロスが『こだわりメガネ』型ではありましたが、攻撃技の乏しい型のライチュウを選出するとダメージレースに有利とも言えない、ミミッキュを選出するとバフデバフがなく多少無理にトリルを押しに行く展開になるのがイマイチで、別のサポーターを探しました。ウインディは【いかく】「おにび」「バークアウト」で攻撃特攻両方のデバフができる上、火力もなくはなく、オーロンゲはライチュウの「ねこだまし」を引き継ぎつつ、「ひかりのかべ」を覚え、「こわいかお」によってS操作も担える便利屋さんです。ウインディとオーロンゲは同時に選出することが少なく、相手の構築によって棲み分けができ、選出時の迷いを減らせました。

そして、耐久の安定性が増したと同時にミロカロスを「とぐろをまく」「さいみんじゅつ」のサポート寄りに変えて試したところ、選出・戦術の幅が広がり上手くハマったため、最終案としました。

以上から、
 全体技:多数
 先制技:「しんそく」、「でんこうせっか」、「マッハパンチ
 S操作:「ダイジェット」、「こわいかお」
 バフデバフ:【いかく】「おにび」「バークアウト」、「とぐろをまく」、「ひかりのかべ
 運ゲ:【きょううん】、「さいみんじゅつ」
 初見殺し:『きあいのタスキ』、「こわいかお」
を揃えた上でテンプレでない、インターネット大会の基本に忠実な1つのスタンダードパーティになったと思います。

 

  • 個別解説 

ウインディ NN:狗頭龍

おくびょう
実数値188-117-101-129-101-161
努力値180-0-4-68-4-252
ねっぷう バークアウト しんそく おにび
いかく@きあいのタスキ

地方ダブルの常連。初手【いかく】、速いSからの「バークアウト」のデバフが言わずもがな偉い。「おにび」は相手の「あくび」を見てから味方に打つプレイングも可能とします(「このゆびとまれ」は要警戒)。「しんそく」は相手の『きあいのタスキ』を壊します。一方こちらの『きあいのタスキ』は、バンギラスドリュウズアイアント、「うそなき」ダイマックス技でウインディの一発KOを狙う相手にも臆せず初手選出するために必要な持ち物です。例えば対バンドリでは、ドリュウズの攻撃を耐えてバンギラスに「おにび」を基本行動としていました。一回勝負のBo1においては、回復きのみよりも選出時の選択肢を広げてくれる点で優秀でした。まれにダイマックスをして、「ねこだまし」をかわしながら「ダイバーン」で天候を取ったり、「ダイアーク」で味方のダメージ増強を図ることもあります。

 

ミロカロス NN:虎姫

ずぶとい
実数値202-58-132-125-152-102
努力値252-0-164-36-52-4
だくりゅう とぐろをまく さいみんじゅつ じこさいせい
かちき@たべのこし
B:A211ドサイドン+1「ダイロック」耐え
C:+2「だくりゅう」でH197-D100ウインディを14/16一発
D:C189トゲキッス「ダイフェアリー」『たべのこし』込みほぼ2耐え

相手のウインディを牽制し選出されても不利にさせない駒。ミロカロスを選出する際はトゲキッスと合わせて「ダイジェット」「とぐろをまく」を決められると、試合が楽になります。いわゆる素催眠も勝ち筋を残せるなら選択肢の1つ。「じこさいせい」で相手のダイマックスやトリックルームミストフィールドを凌ぐプレイングもします。相手の構築にロトムが見えている場合は選出を控えがちです。【かちき】発動後相手の処理を急ぐとき、「とぐろをまく」後どうしても場に居座りたいときに、ダイマックスを切ります。

 

トゲキッス NN:鬼助

ひかえめ
実数値175-49-126-176-136-119
努力値116-0-84-156-4-148
マジカルシャイン ねっぷう エアスラッシュ まもる
きょううん@じゃくてんほけん
B:ダイマックス時A187ドリュウズ『いのちのたま』「ダイスチル」耐え
  A205ドリュウズアイアンヘッド」15/16耐え
D:ダイマックス時C189ジュラルドン『いのちのたま』「ダイスチル」耐え
S:+1でアイアント抜き

このルールで最も使用率の高いポケモンの1匹。環境にはサポート型も多いですが、本構築ではメインダイマックスアタッカーとして活躍してくれました。古来から「いわなだれ」を打ち相手を怯ませる機会が多いのが強いように、【きょううん】トゲキッスを動かし急所を狙う機会を増やすのが強いと考えました。ただ、持ち物『ピントレンズ』だと試合中の相手の残りHP管理が難しいので、『じゃくてんほけん』「ダイジェット」で一転攻勢を主体にしました。弱点をつかれたら反撃で負けない、弱点をつかれなければ動く回数が増える、いずれの状況でも安定してダメージを稼げるイメージです。相手のギミックを防ぐなど汎用性の高い「このゆびとまれ」を採用した型もありえますが、3ウエポンどれも切れず、ダイマックスが切れた後も大事に扱いたいと考えたため、「まもる」を採用しています。(Bo1大会なら相手が勝手に「このゆびとまれ」を警戒してくれたら嬉しいというブラフ。トゲキッスの型の多さによる恩恵です。)

 

ニンフィア NN:百姫(♀推奨)

ひかえめ
実数値195-76-102-165-151-83
努力値196-0-132-156-4-20
ハイパーボイス でんこうせっか あくび みきり
フェアリースキン@せいれいプレート
B:A187ドリュウズアイアンヘッド」15/16耐え
D:C172ロトム「ダイサンダー」ほぼ2耐え
  C189ジュラルドン『いのちのたま』「ラスターカノン」耐え

基本の型で申し分なく打ち合いに強い駒。「あくび」は序盤の立ち回りの幅を広げるのと、終盤の詰めで優秀です。

 

オーロンゲ NN:飯綱陣九朗

いじっぱり
実数値202-155-112-90-99-82
努力値252-4-212-0-28-12
DDラリアット ひかりのかべ こわいかお ねこだまし
いたずらごころ@リリバのみ
A:「DDラリアット」でH164-B95ドラパルトを13/16一発
B:A187ドリュウズ『いのちのたま』「ダイスチル」『リリバのみ』込み耐え
D:C172ジュラルドン『いのちのたま』「(ラスターカノン)ダイスチル」『リリバのみ』込み耐え

主に対エルフーンジュラルドンを担う便利屋。基本的には初手トゲキッスと並べてエルフーンに「ねこだまし」「ダイジェット」を狙いますが、相手の交換が読めたときは別の選択もします。「こわいかお」は「ダイジェット」と合わせて相手の「おいかぜ」を見てから次のターンにトゲキッスが上を取ることを可能とし、また、同一相手に2度打ち裏のニンフィアローブシンに繋ぐこともできます。「でんじは」と違い味方の「ダイフェアリー」に干渉されず、ミロカロスの「さいみんじゅつ」とも相性が良いです。相手の仕掛けた「トリックルーム」下で味方に打って下を取る用法もあります。「リフレクター」ではなく「ひかりのかべ」のみの採用は、ウインディではなくオーロンゲを選出したい試合で欲しいのが後者だからです。攻撃技はこの構築で不足気味になるシャンデラエスパータイプへ安定した打点となる「DDラリアット」を採用しています。

配分は当初いじっぱりASでしたが、サポーターとして2回は動いて欲しく、初手「ねこだまし」をしても『リリバのみ』により「ダイスチル」を耐えるよう意識しました。(『いのちのたま』ジュラルドンのC189「(ラスターカノン)ダイスチル」やC172「(てっていこうせん)ダイスチル」を中乱数で耐えないので、万全を期するなら努力値を特防に割くべきでしょう。それらの個体はいても少ないだろう、また、防御を抑えて選出時の自由度を下げたくないと考え、現在の数値で妥協しています。) 相手の構築に【かちき】【まけんき】がいる場合はウインディより優先して先発させることもあります。

 

ローブシン NN:朧夜千十

いじっぱり
実数値199-211-116-67-98-66
努力値148-252-4-0-100-4
ドレインパンチ マッハパンチ かみなりパンチ みきり
てつのこぶし@くろおび
B:A187ドリュウズ『いのちのたま』「ダイスチル」15/16耐え
D:C178ニンフィアハイパーボイス耐え

後発締めアタッカー。相手のトゲキッスを処理した後の打ち合いに強い。中盤から終盤に場に出たターンから火力が欲しいため【こんじょう】@『かえんだま』ではなく、「ドレインパンチ」での打ち合いをメインにしたいため【ちからづく】@『いのちのたま』ではありません。「かみなりパンチ」は苦手なトゲキッスやアーマーガアとやり合わなければならないときや、ブルンゲルへの打点として採用しましたが、終盤ドラパルトとのタイマンで負けた試合もあったため「れいとうパンチ」も要再検討です。たまにダイマックスで数値を上げて無理を通します。 

 

  • 選出と立ち回り

基本選出
先発:ウインディトゲキッス
後発:ニンフィア+ミロカロスローブシンのいずれか

エルフーンジュラルドン
先発:オーロンゲトゲキッス
後発:ニンフィアローブシン

実際は、『きあいのタスキ』に構わず後出しウインディを用意したり、明らかなトリックルームパーティに対してはねむり狙いで先発ミロカロスニンフィアと並べたり、初手から「とぐろをまく」詰めを狙えそうな場合はウインディミロカロスと並べることもあり、割と柔軟な選出をします。良くも悪くも相手の初手を見てアドリブすることも多いです。いずれにせよ、ダイマックストゲキッスを大事に何度も動かし、隣のポケモンで「ダイジェット」の恩恵を受けつつダメージレースに勝つ、を第一に考えます。後発のニンフィアローブシンが苦手なポケモンを残さないよう順に倒していきます。

ここまで強い点を述べましたが、明確な弱点もあります。トゲデマル、ストリンダーは相手に1匹いるだけで非常に立ち回りを制限され(INC本番、対トゲデマル0勝3敗)、リザードンドサイドンとの打ち合いも構築単位では苦手であり、ウインディミロカロスでなんとか凌ぐ戦法を強いられます。

 

  • 雑感

JCS予選を抜けられたのは2年振り2回目ですが、昨年2019年の予選はムーン・ウルトラシリーズで最終日時間不足という、悔やんでも悔やみきれない敗因があり、今回は取り組み方を改善できたことに安心しています。構築名も因業を断ち切る神剣・朧村正(2009年発売WiiアクションRPG)から名を借りました。真顔で書くと恥ずかしいですね。
正直なところ、インターネット大会はマッチ運が結果を大きく左右すると考えており、今回は苦手な構築を引き続けず、負けに直結する急所や追加効果をそれほど引かず(引いても相手のプレミに救われたり)、多少上振れたように感じます。一方で、自分は構築を記事やレートで見かけたものをアレンジして組むことが多いのですが、本構築は各個体の技や持ち物をこの構築で納得できる型として自分で考えて作り、一定の成績を収められたので、構築を一から組むことに対し少し自信がつきました。INC終了後にこれを書く中で、配分はもっと練ることができた、初手の読み合いを避け切れていない、対ドラパルトの考察が足りないなど反省もあり、前向きに鍛錬しようと気持ちを改めました。

 

  • おわりに

6月の全国大会が無事開かれることを祈りつつ、新環境でも楽しくポケモンバトルをやっていきます。質問などがあれば、@UkiMeDli_MXまでお気軽に訊いてください。ここまで読んでいただきありがとうございます。